ヨーロッパ製のビーズで編まれた、19世紀末イランのビーズ細工。服やテーブルクロスにつけて使用しました。　　　1760年頃の花と蔦の極小ビーズ・パネルが、『世界のビーズ文化図鑑』にあります。本品も、ビーズを糸に通し布に置いて別の糸でかぶせ縫いし、裏布に糸の跡が見られます。 　遅くても19世紀末ころのものと見なせます。図柄は、イランなどでティーポットが冷めないように用いるカバーに見えます。 　多くのモチーフが描かれ、上部に、花、樹、二羽の鳥、花と茎、下部に水差しと花、花(実)の咲いた樹と小さな樹、「花瓶」から出た樹があります。 　花、樹、花瓶、水差しは、イスラム世界で典型、的な聖なる「命の樹」を示し、「多産と繁栄」への願いを意味します。樹の頂きの鳥は、とくに中央アジアやイランなどで鳥は、現世と精神世界をつなぐ魂や幸せを伝える使者を示します。 　本品が、イランで製作されたことも納得できる、入手困難な逸品です。 　約17.7㌢と約14.5㌢(縦最長)、1㌢に約9～10個のビーズが並び、1平方㌢100個ほどのビーズとなります。 　左端上に黒の縁とりビーズが少し破損しています。 　なお、当方が旅行中の場合は、送付が少し遅れます。よろしくお願いしたします。